日本酒飲み方あれこれ:五節句酒の飲み方

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日本酒飲み方あれこれ:五節句酒の飲み方

日本では古来より清酒の楽しみ方も色々ございます。花鳥風月を目で五節句の祝儀酒を酌み、伝統を大切にする日本人の心を歳事とし、ご紹介いたします。

屠蘇酒
(とそしゅ)
1月 年酒として八世紀嵯峨天皇宮中で用いられ元旦に年中の無病を念じて飲むお酒。屠蘇散を清酒に浸したお酒で一年を若く美しく、健康にというわけです。
梅花酒
(ばいかしゅ)
2月 冬の内、白梅の花、百ばかり・・・・・お酒に漬けおきとある。梅酒とは梅の実を漬けるのではなく、元々は梅の花を清酒につけたもの。梅花の香が漂う風流なお酒。
桃花酒
(とうかしゅ)
3月 平安時代、上巳の節句(3月3日)に桃花を盃に入れるところから桃の節句の名がおこったと言われる。一重の桃花を清酒に浸した花酒。その酒を飲めば病を除き、顔色を潤す。桃花酒で美しく。
花見酒
(はなみざけ)
4月 満開の桜花のもと、くみかわす野遊びのお酒、花粉を浴び、花びらを飲む。古の人は『桜花は大自然の命の花と思へり。』自然の気を全身にあびる楽しいお酒。
菖蒲酒
(しょうぶざけ)
5月 五月晴れに鯉およぐ端午の節句。天正19年聖武天皇、郡臣に菖蒲酒を賜うなり。菖蒲の根をきざんで浸したお酒です。漢方では菖蒲根という芳香性健医薬という。
岩魚酒
(いわなしゅ)
6月 中国では頭脳酒という。山深い清流に住む魚でエラとワタを取り、焼き、大きい入れ物に温酒を注ぐ、芳しき香りは渓谷に漂い涼しい渓谷、森林浴、オゾンと、自然の中で飲むお酒は、絶品でうまいお酒。
竹管の酒
(ちくかんのさけ)
7月 竹には霊妙な物質が宿ると言われる。青竹の筒に清酒を入れ、水の流れにつけ、竹の香と冷たさを味わう。野趣あふれる夏のお酒、得も言われぬ香味あり。
鰻酒
(うなぎざけ)
8月 江戸時代、讃岐は東讃志度に生まれた平賀源内のはじめし土用丑の日、うなぎの蒲焼を温めた器に入れ、蓋をして待つこと五分、鰻酒の出来上がり。暑い夏をふっとばしましょう。
月見酒
(つきみざけ)
9月 観月舟遊びの詩に、月暦8月15日の夜と9月13日夜に月見の宴が行われ、必ず清酒が出てまいります。船を浮かべて空天の月を見る雄大な落ち着いたお酒。盃に中に映す月を愛でながら月を飲み干すのも一興です。
菊花酒
(きくかしゅ)
10月 重陽の節句(月暦9月9日)天子より臣下に菊酒を賜う。菊花の気品と香りは、邪気を祓い寿命をのばす。菊の花(食用の菊)を清酒に浮かべた花酒。50、60は花ならつぼみ、70、80は花盛り。まさに長寿の花である。
花梨酒
(かりんしゅ)
11月 原産は中国。風邪の咳、喘息などが奇妙なほどに治まるといわれている。讃岐に生まれし空海ら(弘法大師)が満濃池で知られるまんのう村に持ち帰ったカリン。
鰭酒
(ひれざけ)
12月 河豚の鰭をこんがり炙って湯飲みに入れ温かいお酒をそそぐ。こたえられない味を出すには、こんがりあぶるのがこのお酒の秘訣である。