は
- パーセント
- 容量パーセントは、溶液100mlに溶質が何ml含まれているかを表す。たとえば、清酒のアルコール%は、100mlの清酒中に純粋アルコールが何ml含まれているかを表す。
また、清酒のエキス分は、重量・容量パーセントで示されるが、これは清酒100ml中に含まれているエキス分の重量(g数)を意味している。
また、精米歩合は重量パーセントで示すが、これは100gの玄米から出来た白米の重量(g数)を意味している。 - 胚芽
- 米粒の約3%を占め、蛋白質、脂肪、灰分、ビタミンB1などに富む。
胚乳 - 培地
- 微生物の培養に使用する液体ないし固形の物質のことで、培養基ともいう。培養する微生物の生育に必要な栄養物質などが含まれている。液体のものを液体培地、固形のものを固体培地という
- 白酒
- 穀類を原料とし、餅麹を使って造った中国の蒸留酒のこと。茅台酒、白乾児などがある。
- 胚乳
- 外胚乳と内胚乳にわかれる。内胚乳は主として澱粉で、米の大部分を占める。外胚乳は果皮、種皮と一緒に糠として除かれる。
- 培養基
- 培地
- 培養酵母
- 優良な性質をもった酵母を選び、純粋に培養したもの。野生酵母と区別していう。
- 端桶
- 清酒を貯蔵するときは、酒質の劣化や火落ちを防ぐために、タンクに満量入れておくことが望ましい。これに対して、出荷時に一部の酒を取り出したために、残部の酒がタンク内に残っている状態をいう。
- バカ破精
- 水分の多い湿気麹の場合には、破精廻りも破精込みも共に過剰となり、これをバカ破精と通称する。
- バクテリア
- 細菌
- ハキ
- きき酒した後の吐き出す酒を受け入れる容器をいう。
- 麦芽
- 大麦を発芽させた後、培焼または風乾したもの。
- 白米1,000kg当たり純アルコール数量
- 白米1,000kgから発酵によって生成された清酒中の純アルコール(100%アルコール)の数量(リットル)をいい、酒化率を表す一つの方法である。
白米1,000㎏当たり純アルコール数量(リットル)
=[(清酒の純アルコールリットル数)-(アルコール、焼酎、調味アルコールの純アルコール(リットル))-(原料清酒の純アルコールリットル数)]÷白米(kg)×1000 - 白米の枯らし
- 枯らし
- 白米歩合
- 留仕込み直後に、白米が占める醪容量の割合をいう。留即時歩合ともいう。蒸米や麹の吸収率が高いときに、この歩合が高くなる。
白米歩合(%)
=(留即時醪リットル数-汲水リットル数)÷白米㎏数×100 - 箱麹法
- 製麹を省力化するために、麹蓋を大型にして、15~45kgの麹を盛る箱を使う方法をいう。
- 柱焼酎
- 醪末期に焼酎を添加したり、搾りたての酒に焼酎を混和することをいう。江戸時代の初め頃、伊丹で始まった柱焼酎は地方に伝わり諸白造りの工程の一部に組み込まれるようになった。元禄期の酒造書に、「醪に少量の焼酎を加えると酒の香味はしゃんとし火落ちや酸敗しにくい」と記されている。
- パスカルの原理
- 「閉じこめられた液体の一部に圧力を加えると、その強さは変わることなく、各部にその力が伝えられる」というのがパスカルの原理である。
- パスカルの三角形
- 2項展開式の2項係数を三角形の形に並べたもの。
- 破精
- 蒸米上に麹菌が増殖して菌糸が白く見える状態をいう。
- 破精廻り
- 麹粒の表面に破精が広がっている状態をいう。
- 肌めし
- 甑肌
- 発酵
- 呼吸と同時に、微生物のエネルギー獲得の一手段である。呼吸のように基質を炭酸ガスと水にまで完全に酸化せず、最終産物としてアルコールや有機酸など有用な物質をつくる。
アルコール発酵 - 発酵助成剤
- 発酵を助成し、健全な醸造を期するために、仕込水や醸造工程中に加える物質で、乳酸、食塩、酸性リン酸カリウム、酸性リン酸カルシウム、リン酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、硫酸アンモニウムなどがある。
- 初添
- 添仕込みのこと。
三段仕込み - 初呑切り
- 第1回の呑切りのこと。通常、6月~7月に行う。
呑切り - ハナ
- 清酒をきき酒するとき、鼻孔を通じて嗅ぐにおいのこと。
- 早湧き
- 生もと系の酒母では、蒸米の糖化および生酸が十分でないうちに、また速醸系酒母では糖化が十分でないうちに、酵母が発酵を始めることをいう。
- バラ麹
- 日本の麹のようにバラバラの粒状をした麹をいう。
餅麹 - 腹白
- 米粒の中心部に白色部分のある心白に対し、米粒の腹部に白色不透明な部分のあるものをいう。精米時に砕けやすい。
- はりつけ
- 火入れ時の清酒に活性炭を投入しそのまま貯蔵することをいう。
- 半切(半切桶)
- 物料を入れたり、道具を洗うなどいろいろな用途に使う平たい桶をいう。容量は140~360リットルが普通である。
- 半仕舞
- 1日おきに醪1本ずつ仕込むことをいう。
- パントテン酸
- ビタミンB群の一つ。酵母の生育の際に、酵母によってその要求性に差があるため、たとえば、きょうかい7号酵母の識別に利用される。
ひ
- 火
- 火落ちのこと。
- PAC
- ポリ塩化アルミニウムの略称で、パックとも呼ぶ。
凝集沈殿法 - pH
- 水素イオン濃度
- BMD値
- 留後の日数に、その日のボーメ度または日本酒度の値を乗じたものをBMD値と呼び、醪の管理に利用する。
- BOD
- 生物化学的酸素要求量の略称で、水の汚染度を示す指標の一つ。水中の有機物が微生物によって資化され、水や炭酸ガスになるまでに必要な酸素量をいう。
- B曲線
- 横軸に留後日数をとり、縦軸にBMD値をとって描く曲線で、醪の管理に利用される。
BMD値 - BCG培地
- 麹、酒母、醪中の生酸菌の有無を検出する培地。
- ppm
- 溶液1リットルの中に含まれる溶質のmg数。
- 火入れ
- 清酒を60~65度に加熱して殺菌すること。火入れは、殺菌ばかりでなく、酵素の破壊による酒質の安定化、香味の調熟などにも重要な働きをする。
- 冷込み
- 仕込みの初期から蒸米の溶解糖化が先行して酵母の発酵が停滞し、ボーメが集積してアルコールの生成が悪く、遂には発酵が停止するような現象をいう。
- 火落ち
- 清酒に火落菌が増殖して、白濁、酸の増加、火落ち臭の発生などが発現する現象をいう。火落ち臭は主にダイアセチル(ジアセチル)、揮発酸からなり、ツワリ香に似ている。
- 火落菌
- アルコールに対する耐性があり、清酒中で容易に増殖する特殊な乳酸菌群をいう。清酒中で生育し、火落ちを起こす。
火落ち - 火落菌検出培地
- SI培地
- ビオチン
- ビタミンHともいう。ビール酵母やパン酵母はビオチン要求性であるが、清酒酵母は要求しない。
- 被害粒
- 発芽した米、病害・虫害を受けた米、奇形の米、胴割れした米、砕米、茶米などをいう。
- 非褐変性黄麹菌
- チロシナーゼを生産しない黄麹菌のことをいう。
- 引込み
- 蒸米を麹室に入れ、床の上に33~36度の温度で積み上げる作業をいう。
- 引込み香
- 清酒を口に含み、すすりながら口中にまわし、鼻から息を出すときに呼気と共に感じられる匂いをいう。口中香、含み香ともいう。
- 日仕舞
- 毎日醪1本ずつ仕込みことをいう。また、毎日醪2本ずつ仕込むことを2個仕舞ともいう。
- 比重
- 物体の重さと、それと同体積の4度の水の重さの比を比重という。
- 非電解質
- たとえば砂糖のように、水に溶かしてもイオンを生じない物質。
電解質 - ひなた臭
- 清酒が長時間にわたって日光にさらされた時に発生する臭いをいう。
- 老(ね)香
- 麹の老ね香とは、製麹時間を長くした時に発生する臭い。清酒の老ね香とは、清酒が熟しすぎたりした時に発生する臭いをいう。
- 老(ね)麹
- 製麹時間を長くして麹菌を十分に生育させた麹をいう。一般に酵素力が強く、麹菌による生産物も多い。
若麹 - 比熱
- ある物質1㎏を温度1℃上昇させるのに必要なキロカロリー数を、その物質の比熱という。
- ひねり餅
- 蒸きょうを終える直前に、蒸している米の少量をとり、手のひらでつぶしてこね、餅のようにしたものをいう。これによって蒸し具合を調べる。
検蒸 - 非発酵性糖
- 酵母により発酵されない糖のことで、発酵終了語の醪液中に残り、清酒の濃味に関係するといわれている。清酒中の非発酵性糖にはイソマルトース、パノース、コウジビオースなどがある。
- 飛沫同伴
- 蒸きょうの際、沸騰によって飛散する湯滴が蒸気とともに甑内に入り込む現象をいう。主に和釜に張り込んだ水量が多すぎるときに起こる。
- ひやおろし
- 冬から春につくられ火入れして貯蔵された清酒は、秋に入りその温度と外気温が同じくらいになったころ、昔は貯蔵容器の大桶から樽に詰められて出荷された。これをひやおろし(冷卸し)という。この時期になると、新酒のあらさがすっかり消えまるみがでてほどよく熟成し、酒の最も飲みごろとされていた。
- 描写法
- きき酒をして、その酒の長所・欠点などの特性を描写する方法。プロファイル法、プロフィール法などともいう。
- 表面濾過
- 一般に、懸濁物を含む液を濾材で濾過すると、濾材の表面に懸濁物が堆積する。これを濾過ケークといい、ケークの生じる濾過を表面濾過あるいはケーク濾過という。
内部濾過 - ピルビン酸
- 酵母のアルコール発酵によりブドウ糖からエチルアルコールができる過程で生成される中間物質の一つ。ピルビン酸脱炭酸酵素によりアセトアルデヒドになり、これが還元されてエチルアルコールになる。焦性ブドウ酸ともいう。
ピルビン酸脱炭酸酵素 - ピルビン酸脱炭酸酵素
- ピルビン酸をアセトアルデヒドと炭酸ガスに分解する働きをする。アルコール発酵では重要な酵素の一つ。
- ピロ亜硫酸カリウム
- メタ亜硫酸カリウム(略称メタカリ)のこと。食品衛生法ではこの名称が用いられている。酸化防止剤で、黒粕の予防などに使用される。清酒に使用した場合には表示の必要がある。
- ビン香
- ビンに長く入れて置いたとき生じる不快臭をいう。本体は不明である。
- ピンク酵母
- TTC培地に培養したとき、コロニーの色がピンクになる酵母をいう。きょうかい6号、7号、9号、10号はレッド(赤色)になる。
ふ
- フーゼル油
- 種々の高級アルコールの混合物で、特にイソブチルアルコール、イソアミルアルコールが主成分である。
高級アルコール - フェノールフタレイン指示薬
- フェノールフタレインの溶液で、アミノ酸度の測定に用いられる。無色から淡桃色になる変色点は、pH8.2~10である。
- フェリクリシン
- デフェリフェリクリシン
- 含み香
- 引込み香
- 輻射
- 高温度の物体が輻射線を出して、熱が物を伝わることなく失われ、これを吸収した物体が熱を得る現象。
- 脹れ
- 酒母を仕込んでから、酵母が増殖しはじめると、発生した炭酸ガスにより酒母の表面が脹れてくる。この時期を膨れという。
- 腐造乳酸菌
- 醪中で生育して、乳酸を生産する乳酸菌を腐造乳酸菌という。腐造乳酸菌にはホモ発酵型桿菌とヘトロ発酵型球菌の両者があるが、一般にホモ型桿菌の方が酸およびアルコールに対する耐性が強い。しかし、両者ともに一般の乳酸菌よりも低温に強く5~8度でも生育できる。
- 蓋麹法
- 従来から行われてきた麹蓋を使用する製麹法をいう。現在では吟醸造りの製麹で採用されることが多い。麹蓋法ともいう。
- 普通醸造法
- 米、米麹、水、原料用アルコール、有機酸(コハク酸、乳酸、クエン酸、リンゴ酸)および清酒粕を原料として清酒を醸造する方法をいう。アルコール添加清酒の醸造法のことである。
- 沸点
- 液体が沸騰する際の温度のことで、沸騰点ともいう。水の沸点は1気圧の下において100度である。
- 槽口
- 垂れ口
- 槽
- 酒槽ともいう。
上槽 - 浮ひょう
- アルキメデスの原理を応用したもので、液体の比重を測定するのに用いられる。清酒製造で使用するものに、酒精度浮ひょう、日本酒度浮ひょう、ボーメ度浮ひょうがある。
- 不偏分散
- 測定値のバラツキの物差し。すなわち変数のチリバリ(分布)の代表値として、次式による不偏分散を用いる。
- 浮遊物質量
- SS
- プリコート
- 濾布や濾紙上に、濾過助剤の層を付着させること、あるいは、付着させた濾過助剤をいう。
- プロテアーゼ
- 蛋白質やペプチドを分解する酵素の総称である。
- プロテオリピッド
- 米麹中に含まれている脂肪酸や脂肪などと結合した蛋白質の一種で、これが清酒醪中で酵母の高濃度アルコール発酵を促進する一つの原因になっていると考えられる。
- 分子
- その物質の性質を示す最小単位の微粒子のことで、原子で構成されている。一つの分子がどういう種類の原子何個から出来ているかを示したのが分子式である。
- 分子量
- 炭素原子の重さを12としたときの各分子の比較的な重さのことで、分子を構成する原子の数と原子量から求められる。
- ぶんじ
- 製麹で盛りのときなど、固まった蒸米層を切り崩すのに用いる木製の器具をいう。
- 粉末炭
- 活性炭素
へ
- 並行複発酵
- 澱粉の糖化とアルコール発酵が同時に並行して進行する発酵形式をいう。清酒の醪は、その代表例である。
- β-アラニン培地
- この培地上で、きょうかい7号は35℃で生育できないが、他の清酒酵母は生育できる性質を利用して、きょうかい7号の純度検定に用いる。
- β-澱粉
- 生澱粉の状態をいう。
- ヘテロ乳酸菌
- 乳酸発酵
- 紅麹
- モナスカスと呼ばれる紅色の色素を生産する紅麹カビを蒸米に増殖させた麹で、中国や台湾では紅酒の原料に使われている。また最近、新潟県醸造試験場を中心に開発された「あかい酒」は、この紅麹カビの色素を利用している。
- ペプチダーゼ
- ペプチドを分解してアミノ酸をつくる酵素。
- ペプチド
- アミノ酸が2個以上結合した科学物で、蛋白質が分解して生じる。
- 変性
- 性質が異常に変わること。蛋白質の変性。
蛋白質 - 偏性嫌気性菌
- 酪酸菌やアセトン・ブタノール菌などのように、酸素があると生育しない菌。
ほ
- 黄酒
- 中国の醸造酒のこと。穀類を原料として、餅麹を使って造った醸造酒で、紹興酒、老酒などが日本でよく知られている。
- 坊主
- 醪の状貌
- 膨軟麹
- 水分が多いため軟らかく膨らんでいる麹のことで、湿気麹と同じ。
湿気麹 - ボーメ度
- 液の比重を重ボーメ度浮ひょうで測定した値をいう。酒母および醪の初期・中期の管理に利用される。ボーメ度の1は、日本酒度の-10に相当する。
- 補酸剤
- 清酒に直接に補酸のために添加が認められているのは乳酸、コハク酸とリンゴ酸で、発泡性清酒の場合には、クエン酸が使用できる。一方、清酒製造には、乳酸とコハク酸のほかにクエン酸、リンゴ酸の使用が認められている。
- ボディーエイド
- 濾過の際に原液中に適量の濾過助剤を混和して用いる使い方をする濾過助剤のこと。
- ホモ乳酸発酵
- 乳酸発酵
- ホルマリン
- 刺激臭のある無色の液体で、ホルムアルデヒドの約40%液の商品名をいう。麹室などの殺菌剤として、またアミノ酸度の測定に用いられる。
- ホルモール滴定法
- 全アミノ酸の定量法の一つで、清酒のアミノ酸度の測定に採用されている。アミノ酸がホルマリンと反応して酸としての性質をもつ化合物に変わることを利用したもので、中和後の清酒に中性ホルマリンを加え、これをアルカリで滴定してアミノ酸量を測定する。
- 本醸造酒
- 製法品質表示基準によれば、精米歩合70%以下の白米、米麹、水と醸造アルコールを原料としてつくられた清酒で、香味および色沢が良好なものをいう。醸造アルコールに使用量には制限があり、白米の重量の10%(95%アルコールの重量として)をこえない範囲とされている。製法品質表示基準に定める特定名称の清酒の一つである。この清酒の名称は本醸造に一本化され、本造り酒または本仕込み酒の名称は用いることができない。
特定名称の清酒